
こんにちは、薬剤師のきゃんです。
今回は生理前に便秘になりやすい理由と、おすすめの便秘薬について解説します。

生理前になるといつも便秘がひどくなるんです…

生理前に増える女性ホルモンの影響で便秘が悪化するんです。
生理前に増える女性ホルモンには、大腸の運動を抑える作用や、身体に水をためる作用があります。
便の水分が吸収されて水分量の少ないコロコロ便になるため、便が出しにくくなります。
慢性便秘症の患者さんを快便に導いてきた薬剤師が、生理前に便秘になりやすい理由と、おすすめの便秘薬5選について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 生理前の便秘と女性ホルモンの関係
- 生理前の便秘におすすめの便秘薬
生理前の便秘と女性ホルモンの関係

生理前の女性ホルモン分泌の変化
閉経前の女性は、月経周期によって女性ホルモンのバランスが変化しています。
女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)があります。
生理前の便秘に関係するのは、主に排卵後から生理前にかけて分泌が増える黄体ホルモン(プロゲステロン)です。
黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きと便秘の関係
排卵後から生理前にかけて分泌が増える黄体ホルモン(プロゲステロン)には、大腸の運動を抑える作用や、身体に水をためる作用があります。
そのため、便が大腸を通過する時間が長くなり、便の水分が吸収されて水分量の少ないコロコロ便になるため、便秘になります。

チェックポイント
生理前は黄体ホルモン(プロゲステロン)が増えることで、大腸の運動が抑制されて、コロコロ便になるため便秘になりやすい。
生理前の便秘におすすめの便秘薬

市販で買えるおすすめの便秘薬
刺激性の便秘薬
生理前は黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用によって、大腸の運動が抑えられてしまいます。
その原因に合わせた便秘薬として、大腸を動かす作用のある刺激性の便秘薬があります。
市販されている刺激性の便秘薬はたくさんあり、健康食品にその成分が含まれていることもあります。

刺激性の便秘薬は使いすぎると便秘が悪化してしまうため使い方に注意が必要です。
市販の刺激性の便秘薬には、ダイオウ、ビサコジル、ピコスルファートなどの成分が含まれています。
それぞれの成分ごとに、錠剤で少量から調節しやすいおすすめの便秘薬を1つずつ紹介しましょう。
「ダイオウ」が含まれる刺激性の便秘薬
- ハーブイン「タケダ」(第2類医薬品)
- 成分
ダイオウエキス、カンゾウエキス末、DDS(ジオクチルソジウムスルホサクシネート)
生理前の便秘に効くしくみ
ダイオウの有効成分、センノシドが大腸を刺激することで、大腸の動きをよくして排便しやすくします。
DDSが硬くなった便に水分を与えてやわらかくし、排便しやすくします。

「ビサコジル」が含まれる便秘薬
- コーラックファースト(第2類医薬品)
- 成分
ビサコジル、DDS(ジオクチルソジウムスルホサクシネート)
生理前の便秘に効くしくみ
ビサコジルが大腸を刺激することで、大腸の動きをよくして排便しやすくします。
DDSが硬くなった便に水分を与えてやわらかくし、排便しやすくします。

「ピコスルファート」が含まれる便秘薬
- ピコラックス(第2類医薬品)
- 成分
ピコスルファートナトリウム水和物
生理前の便秘に効くしくみ
ピコスルファートが大腸を刺激することで、大腸の動きをよくして排便しやすくします。


2~3日あけて便秘の症状があるときだけ使用しましょう。
非刺激性の便秘薬
生理前は黄体ホルモン(プロゲステロン)には、身体に水をためる作用もあるため、便の水分が吸収されて水分量の少ないコロコロ便になるため、便秘になります。
その原因に合わせた便秘薬として、大腸内に水分を集めて便をやわらかくする作用のある非刺激性の便秘薬があります。
「酸化マグネシウム」が含まれる便秘薬
- 酸化マグネシウムE便秘薬(第3類医薬品)
- 成分
酸化マグネシウム
生理前の便秘に効くしくみ
酸化マグネシウムが水分を集めて便をやわらかくし、排便しやすくします。

「DSS」が含まれる便秘薬
- オイルデル(第2類医薬品)
- 成分
マシニン末、DDS(ジオクチルソジウムスルホサクシネート)
生理前の便秘に効くしくみ
マシニン(生薬)に含まれる脂質類が便のすべりをよくし、排便しやすくします。
DDSが硬くなった便に水分を与えてやわらかくし、排便しやすくします。


おなかが痛くなりにくいので非刺激性の便秘薬がおすすめです。
妊娠の可能性があるときは注意!

妊婦さんが使えない便秘薬
妊娠の可能性がある場合は、いつもの生理前の便秘か…と安易に便秘薬を使うのは控えましょう。
市販の便秘薬の中でも、刺激性の便秘薬は子宮収縮をおこしてしまう可能性があるため注意が必要です。

妊娠の可能性がある場合は、酸化マグネシウムなどの非刺激性の便秘薬を使いましょう。
まとめ
- 生理前は黄体ホルモン(プロゲステロン)が増えることで、大腸の運動が抑制されて、コロコロ便になるため便秘になりやすいです。
- 生理前の便秘には、大腸を動かす作用のある刺激性の便秘薬をとんぷくで使うか、硬くなった便をやわらかくする作用のある非刺激性の便秘薬を使うのがおすすめです。
- 妊娠の可能性があるときは、酸化マグネシウムなどの非刺激性の便秘薬を使いましょう。